先日、留学を目指していると相談に来てくれた学部1年生の方と話していた時、研究実績のブートストラップ問題に気が付きました。つまり、研究実績を出さないと研究インターンは難しいが、研究実績を出すためにはどこかの研究室に受け入れて貰わないといけないという問題です。所属する大学の教授にお願いするのが一番確実であり、学部生で留学を目指している方は教授に積極的に働き掛けた方が良いと思いますが、まだ興味のある分野が決まってなかったり、自分で0からテーマを考えるのではなく最初はある程度与えられたテーマをやりたいという方もいると思います。そのような場合におすすめなのが研究所や大学が夏に行なっている研究インターンで、おおよその場合は予めメンターが考えてある研究テーマを行うことになります。超有名研究機関でなければ、学部1,2年生でも受け入れてもらえる海外研究インターンというのは想像以上に多いため、知り合いから聞いたものに自分で調べたものを足して、(研究経験があまりない)学部生でも通りそうな研究インターンを列挙します。
ここに掲載しているものは全て日本で学ぶ学部生が応募可能である研究インターンになります。アメリカの大学での研究インターンはアメリカ国籍か永住権がないと応募資格がないものが多いため、アメリカ以外での研究インターンが多めになりました。
有給インターン
KAUST Visiting Student Research Program
サウジアラビアに最近出来たKAUSTという大学が行なっている夏の研究インターンプログラムです。知り合いが行っており口コミが良く、私も参加しようかなと思い連絡しましたが、学部3年でないとeligibleでないと言われダメでした。期間:3-6ヶ月(応相談)
募集要項(詳しくは自分で確認してください)
- 学部3年又は修士1年
- GPA 3.5/4.0以上
- TOEFL iBT 79以上
ワイツマン研究所 Kupcinet-Getz International Summer School
イスラエルのワイツマン研究所が行なっている夏の研究インターンプログラムで、知り合いが参加していました。その知り合いは、「インターンは面白いし、イスラエルの植生が変わっていて興味深かった」という感想を述べていました。期間:6/10-8/5
募集要項
- 学部3年
- Physical Sciences, Chemical Sciences, Life Sciences, Mathematics or Computer Scienceのどれかを専攻
- GPA 3.6/4.0以上
- Fluent in English
Los Alamos National Laboratory Undergraduate Student Internship Program
アメリカのLos Alamos National Laboratory(LANL)のインターンです。知り合いが働いており、何度かインターンに誘っていただきました。LANLは荒野のど真ん中にあり、研究に集中できる環境らしいです。他にもアメリカのNational Laboratory系は学部生インターンを募集していることが多いため、チェックしてみると良いと思います。期間:応相談
募集要項
- GPA 3.0/4.0以上
CERN Summer Student Programme
日本はCERNのmember stateではないため、"non member state"の学生向けのsummer student programに応募することができます。このプログラムでは、夏に2ヶ月ほどCERNに来てちょっとした仕事と授業のようなものを受けることが出来ます。ウェブサイトには日本人はKEKのウェブサイトから応募しろと書いてありますが、KEKのウェブサイトには修士1年が対象と書いてあるため、情報に齟齬が生じています。私がCERNにいた時、チームでも3人程summer studentを受け入れていましたが、non member stateからの学部生もいたため、修士でないと応募できないというのは考えにくいです。応募する場合、よく確認して下さい。期間:夏、応相談
募集要項
- 学部3年以上
NUS Amgen Scholars Program
シンガポールでトップの大学であるNUSの研究インターンです。期間:6/4-8/5
募集要項
- 学部2年以上
- TOEFL iBT 72以上
Tsinghua Amgen Scholars Program
中国の清華大学の研究インターンです。清華大学は近年圧倒的な成長を見せており、卒業生は軒並みアメリカのトップスクールに進学しています(私の印象です)。理系で中国に留学するならここが一番良いのではないでしょうか。期間:6/15-8/8
募集要項
- 学部2年以上
- GPA 3.2/4.0以上
- TOEFL iBT 78以上
Google Summer of Code
GSoCは海外インターンではないですが、リモートで海外の開発者・研究者と一緒に働く機会が得られるプログラムであり、この記事を読むような方は興味があるだろうなと思ったためリストに含めました。自分は2017年にGSoCに参加し、非常に良い経験になりその後のキャリアにも繋がったためとてもオススメできます。GSoCは開発というイメージが強いかもしれませんが、CERNなどの研究機関や大学も参加しているため、海外の研究者とコネクションを作る事にも利用できます。期間:5/19-8/11
募集要項
- 18歳以上の大学生
Summer@EPFL
EPFLというローザンヌにあるスイスで2番の大学が行なっている夏の研究インターンです。知り合いが行っており、とても良さそうでした。期間:夏、応相談
募集要項
- 学部2年以上
ETH Student Summer Research Fellowship
ETHというチューリッヒにあるスイスでトップの大学が行なっている夏の研究インターンです。ETHは日本ではあまり聞かないかもしれませんが世界的には超超有名な大学なので、このプログラムは非常にオススメです。期間:7/1-8/31
募集要項
- 今年卒業ではない(学部4年・修士2年ではない)
無給インターン
Innopolis University International internships
Innopolisというロシアのとても新しい大学が行なっている研究インターンです。ロシアに住みたいという気持ちが溢れて止まらなかった時にロシアの大学について調べまくり、見つけました。基本は無給ですが、優秀な人には部分的に奨学金が出るようです。期間:2ヶ月以上
募集要項
- 学部生か修士生
UBC Visiting International Research Students (VIRS)
UBCというカナダの有名な大学が行なっている研究インターンです。有名な教授が沢山いらっしゃるため、自分で奨学金を取れたならこのプログラムに応募して研究インターンを行い、受け入れ先の先生に推薦状を書いてもらうなどのシナリオが考えられます。期間:1-12ヶ月、応相談
募集要項
- カナダ国籍ではない